手術支援ロボット「ダヴィンチXi」
当院では、がん治療の選択肢をさらに充実させるため、2023年9月末より手術支援ロボット「da Vinci Xi(ダヴィンチXi)」を導入しました。これにより、従来の鏡視下手術に加え、より低侵襲(身体への負担が少ない)な内視鏡手術の選択肢が広がり、患者さんの回復や生活の質向上に貢献します。
現在は消化器外科領域・泌尿器科を中心に導入を進めており、今後も対象疾患・診療科を順次拡大していく予定です。
ダヴィンチXiによる手術支援ロボットのメリット
①身体への負担が少ない
ダヴィンチ手術では、1〜2cm程度の小さな切開からロボットアームやカメラを挿入するため、傷口が小さく、出血量も少なく、術後の痛みが軽減されます。これにより、早期の社会復帰が可能になります。
②精密・正確で安全性が高い
医師は、高精細な3Dハイビジョン画像を見ながら、手ぶれ補正機能などを活用して、より精密な操作が可能です。操作には専門のトレーニングと認定ライセンスが必要であり、熟練した医師のみが担当します。
③従来は困難だった部位の治療が可能に
人の手では難しかった繊細な動作も、ダヴィンチのロボットアームなら対応可能です。これにより、前立腺がんや大腸がんなどの複雑な部位の手術にも対応できるようになりました。
当院で実施している手術支援ロボット(保険診療)
以下の疾患に対して、保険診療での手術支援ロボットを行っています。
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消化器外科
- 胃がん
- 直腸がん
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泌尿器科
- 前立腺がん
- 腎がん
- 膀胱がん
- 腎盂尿管移行部狭窄症
- 手術の適応については、各担当医にご相談ください。
ダヴィンチXiの構成と仕組み
ダヴィンチXiは、以下の3つの機器で構成されています。
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操作部(サージョンコンソール)
医師が座って操作する場所。3D映像を見ながらロボットアームを操作します。
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ロボット部(ペイシェントカート)
患者さんの近くに設置され、鉗子やカメラを動かして手術を行います。
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映像カート(ビジョンカート)
ロボット部のカメラが捉えた映像を3D画像化し、操作部に送信します。
このシステムにより、高精度かつ安全な手術が可能となります。