集中治療室と一般病棟をつなぐ安心の架け橋

大きな手術の後や、容体が急変する可能性のある患者さんを、より手厚く見守るための病棟です。集中治療室(ICU)よりも穏やかな環境で、一般病棟より密な看護と高度な容体管理を実施。安全な回復をサポートし、切れ目のない医療連携の要となることで、早期の社会復帰を目指します。
HCU(高度治療室)とは?
High Care Unitの略で、日本語では「高度治療室」や「準集中治療室」と呼ばれます。救命のための緊急治療を行うICU(集中治療室)と、比較的容体が安定した患者さんが過ごす一般病棟との、ちょうど中間に位置する病棟です。ICUでの治療を終えた患者さんや、大きな手術後の患者さんなど、集中的な治療は終えたものの、まだ慎重な経過観察が必要な方を受け入れます。
当院HCUの強みと特徴
1. 手厚い看護体制と高度なモニタリング
HCUでは、看護師1人が受け持つ患者さんの数が、一般病棟よりも少なく定められています(当院では4対1)。これにより、きめ細やかな看護ケアの提供が可能となります。また、すべてのベッドに心電図や血圧などを24時間監視する生体情報モニタを設置し、わずかな変化も見逃さず、急変に即応できる体制を整えています。
2. 早期回復を促す、積極的なリハビリテーション
重症な状態から回復する過程では、できるだけ早くリハビリテーションを開始することが、筋力の低下(廃用症候群)を防ぎ、合併症を予防する上で非常に重要です。当院のHCUでは、専門のリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士)が早期からベッドサイドに伺い、患者さんの状態に合わせて安全なリハビリを行います。
3. ICU・一般病棟とのシームレスな情報連携
患者さんの状態がHCUからさらに回復し、一般病棟へ移る際には、担当の医師・看護師同士が密に情報を共有するカンファレンスを実施します。これにより、一般病棟へ移った後も、治療や看護の方針が一貫性を持ち、患者さんは安心して療養を続けることができます。
入院から退室までの流れ
HCUへの入室は、患者さんの状態に応じて主治医が判断します。
- ICUから
集中治療を終え、状態が安定してきた患者さんが転室します。 - 手術室から
大きな手術を受けた後、術後の厳重な管理が必要な患者さんが直接入室します。 - 一般病棟・救急外来から
容体が変化し、より密な観察が必要となった患者さんが入室します。
HCUで状態が安定すれば、一般病棟へ転室し、引き続き治療とリハビリを行います。