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薬剤部

お知らせ

 薬剤部では、一緒に働く仲間を募集しています。

釧路労災病院薬剤部の理念と基本方針

理念

信頼に応える 薬剤部

基本方針

自己研鑽に励み、薬の専門職として常に成長を心がけます
友好的に対話し、院内や地域の医療従事者と連携します
医療安全に配慮し、医薬品に関するリスクを低減するよう努めます


スタッフ集合写真2024


ご挨拶

みなさん、こんにちは。薬剤部長の大月沢雄です。

私たちは「信頼に応える薬剤部」を理念とし、薬剤師・薬剤助手が協力して様々な仕事に取り組んでいます。

患者さんや院内外の医療従事者と信頼関係を築くためには、お互いを尊重して対話する必要があります。相手の立場への想像力や思いやり、相手に伝わるように自分の意見をきちんと述べる姿勢、たゆまぬ自己研鑽に裏打ちされた専門知識と経験。これらを大切にして患者さんと向き合い、チーム医療や地域連携に参画します。

また、医療安全において医薬品関連の事故やインシデントの割合が大きいことを常に意識し、専門職として医薬品のリスクを低減できる方策を考えて行動します。

釧路の語源はアイヌ語の「クスリ(薬、温泉、通路などの意)」とする説があるそうです。
私たちは釧路から薬を通して、患者さんの治療や生活、地域医療に貢献します。


薬剤部のスタッフ

薬剤師(嘱託1名含む) 18名
薬剤助手 4名

専門・認定薬剤師等の取得状況

2024年4月現在
資格・研修有資格者数
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 7
日本薬剤師研修センター認定薬剤師 4
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師7
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1
日本緩和医療薬学会 麻薬教育認定薬剤師 1
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 1
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1
日本糖尿病療養指導士 3
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士 2
日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物治療法履修薬剤師 1
日本医療情報学会認定 医療情報技師 1

専門薬剤師・認定薬剤師のご紹介

認定実務実習指導薬剤師・・・ 工藤 優子
医療、保健、福祉等における社会的ニーズに貢献できる薬剤師育成の観点から、「薬剤師として求められる基本的な資質」を備え、「安全で有効な薬物療法の提案とそれを実践・評価できる能力」および「チーム医療・地域医療への参画能力の修得を目標とします。実務実習では医療現場における薬剤師の役割を実際に体験してもらいます。その中でも、臨床に係る実践的能力を培うために以下の代表的な8疾患(がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症)が規定されています。それら全ての疾患において、SBOs(到達目標)を確実に達成できるような実習プログラムを提供しています。また、当院及び当地区では、実習生が様々な機能を有する病院・薬局での実習を経験し自分の故郷に帰郷して実習を行う「ふるさと実習」を推進しています。これにより、実習生は自宅から通学することにより、肉体的、精神的、金銭的負担を軽減しつつ、生まれ育った地域の医療及び医療提供体制を学ぶことができます。
是非、釧路をはじめとする道東出身の多くの薬学生の皆さんに、当地区での病院・薬局実習を行っていただくよう心よりお待ちしています。
緩和薬物療法認定薬剤師(日本緩和医療薬学会)・・・ 小島 佑太
悪性腫瘍、ALS、心不全など、生命を脅かす病に関連する問題に直面した患者さんは、疼痛・消化器症状・呼吸困難感・倦怠感・精神的苦痛・せん妄など様々な苦痛を抱えています。その苦痛を取り除くため、近年ではより早期の緩和医療の開始が推奨されています。
当院では緩和ケア病棟(愛称:れぽふる)や、緩和ケアチーム(PCT:Palliative Care Team)が存在し、回診を週に二度、多職種カンファレンスを週に一度行っています。私はチームの一員として薬物療法・非薬物療法を通して患者のQOL向上に寄与するため、日々業務に従事しています。
特に医療用麻薬はここ数年で成分や剤形の種類が増加し、疼痛管理の選択肢が広がったため、個々の患者さんにあった薬剤の選択が特に重要となっており、薬剤師として薬剤の適正使用に貢献できるよう努めています。
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)・・・ 矢澤 敏
近年のがん医療は著しく進歩し、抗がん剤治療を受ける患者数も年々増加しています。近年は正常細胞への影響を少なくし、がん細胞に特異的に作用する分子標的薬など新しい抗がん剤が次々と登場し、治療内容も複雑・多様化しています。また、副作用を予防・軽減する支持療法も使用できるようになり、以前と比較して治療を受ける患者さんの身体的負担は軽減しましたが、一方で免疫系の副作用など、これまでとは異なる副作用も見られるようになっています。支持療法や副作用対策の発展に伴って治療を受ける場所も入院治療から外来治療へシフトしており、長期的に抗がん剤治療を継続するためには治療効果も重要ですが、個々の患者さん・ご家族の考え方、生活環境に応じた適切な薬剤選択、副作用対策を行うことがより重要となっています。その中で外来がん治療認定薬剤師は、医師や看護師と協働して患者さん・ご家族へ治療内容や副作⽤とその対策について説明し、副作用のモニタリングを通じて、安心・安全な抗がん剤治療を提供できるよう努めております。また、保険薬局や他の医療機関に対し、現在行われている治療内容や副作用の状況に関する情報提供(お薬手帳シール)も行っています。
感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)・・・ 大森 健太郎
近年、抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR)をもつ細菌が世界中で増えています。対策を講じなかった場合、2050年には世界で1000万人の死亡が想定され、がんによる死亡者数を超えるとした報告があります。このような状況を踏まえ、日本においても2016年にAMR対策アクションプランが策定され、医療現場においても変革が求められてきました。
医療機関におけるAMRへの対策には、①「耐性菌を保菌・感染した患者から、保菌していない患者へ拡げない対策」および、②「患者への抗菌薬の使用を適切に管理する対策」の2つの対応が必要と考えられています。
当院における①は、耐性菌を拡げない対策を実践するチーム(感染制御チーム:Infection Control Team:ICT)が、感染対策としての院内ラウンド(環境、廃棄物、点滴・尿カテ管理、手指衛生など)、消毒薬の適正かつ安全な使用方法の確認と教育、施設間での情報共有などの活動を行っております。
②については、抗菌薬適正使用支援(antimicrobial stewardship:AS)と呼ばれる取組みが必要とされており、こちらもICTと同様に医師・看護師・薬剤師・検査技師の多職種で構成されたチーム:ASTとして機能しております。
ASを行う目的は、主治医が抗菌薬を使用する際、個々の患者に対して最大限の治療効果を導くと同時に、有害事象をできるだけ最小限にとどめ、いち早く感染症治療が完了できる(最適化する)ようにサポートする事です。
ASTとして職種間で連携をとる事で適正使用状況を把握・評価、TDM、必要に応じて主治医と連絡をとりフィードバックを行っております。
ASはあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、薬剤師が本領を発揮し活躍できる分野の一つであると考えます。その点、当院の薬剤部はそこに時間と環境の用意があり、とても理解のある職場です。そういった中で業務が出来ることに感謝しつつ日々奮闘しております。
日本糖尿病療養指導士・・・ 工藤 優子  竹内 和沙
当院には、薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師のCDEJ(Certified Diabetes Educator of Japan)がいます。糖尿病は、他の病気と違い、自己管理が重要な病気です。この自己管理(療養)を、指導する医療スタッフが、CDEJです。CDEJは、糖尿病に関する幅広い専門知識を持ち、患者さんの療養指導全般を支援しています。
当院では、毎週木曜日に、CDEJが、講師となり糖尿病教室を開催しています。糖尿病と言われたら、正しい知識を得るために又は、悩みを相談しに参加してみてはいかがですか。
NST専門療法士(日本臨床栄養代謝学会)・・・ 矢澤 敏
NST( Nutrition(栄養)Support(サポート)Team(チーム))とは、他職種(医師・管理栄養士・看護師・薬剤師・臨床検査技師・言語聴覚士など)が連携して栄養障害のある患者さんへ適切な栄養療法が行われているかをチェックし、適切かつ質の高い栄養管理を提供するためのチームです。栄養状態が不良の場合、術後の創傷治癒の遅延、感染症の罹患率の上昇などが報告されており、NSTの活動により栄養状態の改善は勿論のこと、入院日数の短縮や疾患の治療効果の底上げに寄与するとされています。当院では医師・管理栄養士・看護師・薬剤師を中心に、毎週火曜日に病棟回診を行い、最適な栄養療法を提供できるよう検討しています。薬剤師の役割は、個々の患者さんの薬歴を確認し、治療薬と栄養製剤との相互作用の回避、病態に応じた適切な輸液・経腸栄養剤の処方提案を行うことで、薬剤師の視点から適切な栄養療法をサポートするとともに、薬剤の投与速度や投与ルートの提案、薬剤による副作用の早期発見など薬物療法に関する提言も併せて行っています。
医療情報技師(日本医療情報学会)・・・ 大月 沢雄
電子カルテをはじめとする医療情報システムは、病院のあらゆる業務に不可欠なものになっています。また、システムを適切に管理し運用するだけでなく、そこに蓄積される膨大な医療データの有効活用も重視されるようになりました。クオリティの高いデータに基づいた新たな知見を得ることは容易ではありませんが、医療従事者が医療分野と情報処理2つの視点を持つことで、システム担当者とのコミュニケーションが円滑になり、「現場のニーズが反映された安全かつ効率的なシステム」につながっていきます。

業務内容

調剤業務

 調剤室は広いスペースが確保されており、約1200種類の薬剤を取り扱っています。
 そして最新鋭のアンプルピッカー(自動注射薬払い出し機器)や調剤支援システムの導入により安全かつ確実な調剤を行っています。



無菌調製業務

 中心静脈からの栄養点滴は連続的かつ長時間となります。こうした点滴注射薬は細菌汚染を避ける必要があるため クリーンルーム内で薬剤師が無菌的に調製しています。またこれらの点滴内容についても薬剤師が確認を行っています。



がん治療支援業務

 がん治療においては治療計画から検査結果に至るまで薬剤師が総合的に確認を行っています。
 また、抗がん剤は全て安全キャビネットと呼ばれる専用の設備の中で安全かつ無菌的に調整する事により患者様のがん治療の支援を行っています。



薬剤管理指導

 入院中の患者様に投与される薬について病棟担当の薬剤師が薬持参薬の内容や飲み合わせ、薬の用法用量や効果・副作用などを確認しており、他の医療スタッフと協力して患者様の薬による治療が安全かつ確実に実施されるように支援しています。
 また、薬の効果や飲み方・使い方、注意点などについて服薬指導など通じて患者様に分かりやすく説明しています。



入院前、入院時面談

 薬剤部では、地域医療センター内において、患者さんと入院前および入院時の面談を行っています。持参薬の確認を行い、抗血小板薬・抗凝固薬の有無、薬剤アレルギーの確認、服薬状況やサプリメントの内服状況を調べ、入院にあたっての適切な情報を入手しています。



チーム医療

 院内には疼痛緩和チーム、栄養サポートチーム、感染対策チームなどといった様々な職種により構成される医療チームが活動していますが、薬剤部ではこうした医療チームに回診・カンファレンスなどを通じて積極的に参加し、患者様の治療支援に深く関わっています。



連携充実加算

連携充実加算について

 当院では外来がん化学療法の質向上を目指し、地域の保険医療機関や保険薬局との連携を強化する目的で、外来化学療法センターにおいて抗がん剤(注射)が投与された患者さんへ治療内容や副作用の発現状況等を記載したお薬手帳サイズの「化学療法シール」、「副作用確認シール」をお渡し、保険医療機関及び保険薬局へ提示するようご説明しております。これに伴い、2021年7月より当院において連携充実加算を算定することとなりました。患者さんからシールが提示されましたら、内容をご確認頂くようお願い致します。
 なお、連携により保険薬局から得られた情報は、外来化学療法センター薬剤師がその内容を精査し、患者の電子カルテに記載することで、医師・看護師へ情報提供させていただきます。地域の保険医療機関や保険薬局の皆様とともに患者さんへ安心・安全ながん薬物療法を提供できるよう尽力してまいりますので、ご理解ご協力の程、宜しくお願い致します。


登録レジメン

 掲載内容は院内登録時点における情報であり、常に最新情報とは限りません。投与量、投与スケジュール、希釈輸液などは患者さんの状態によって変更される場合があります。レジメン内容の正確性については万全を期しておりますが、安全性・正確性を保証するものではありません。万一、内容に誤りがあり、その利用により生じたあらゆる損害についての責任は一切負わないものとしますので、予めご了承ください。
 また、内容は予告なしに変更または削除することがあります。


お問い合わせ先

釧路労災病院 薬剤部
Tel:0154-22-7191(内線7178:外来化学療法担当 平日9時~16時)
Fax:0154-22-7199(トレーシングレポート提出先)